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スペシャルインタビュ−

本作の主演は、超個性派役者として知られる佐藤二朗。 堂本剛主演で話題となった風変わりなTVドラマ「33分探偵」では、科学的にスカートをめくる実験に夢中になっているヘンな鑑識官。「電車男」では、伊藤淳史演じる電車男=剛司の勤務先で、気弱な剛司をいじめることだけが生き甲斐の典型的な最低上司。「ごくせん」シーズン3では、何故か生瀬勝久演ずる教頭にあこがれる学年主任の古典教師。それぞれの作品で、存在感タップリに、”佐藤二朗カラー”で見事に演じるなど、見ればひと目でわかる独自の世界観を創り出している。また、初の監督・脚本映画『memo』が08年湯布院映画祭に正式招待されるなど、クリエイターとしても一級の評価を得ているのだ。

中年ニートを熱演! 主演 芝二郎役 佐藤二郎 インタビュー

「幼獣マメシバ」主演の佐藤二朗さんをひかりTVが独占取材。本作にかけた思いや撮影秘話などをじっくり聞き出してきました。

佐藤二郎

「この役、人には渡したくないな」と思いました。

■初めに脚本を読んだ時、どのような印象を持たれましたか?
永森裕二さんという脚本家が僕に当て書きしていただいた本なのですが、もう本当に一読してというか、初見でそれはよく分かったし、最初の感想としてはセリフがとにかく面白かったので「この役、人には渡したくないな」と思いました。 逆にセリフが面白いのでプレッシャーはありましたね。最初から面白い本をさらにって思うし、はずしちゃいけないなって思います。とにかく撮影が待ち遠しかったですよ。

■今までに同様のキャラクターを演じたご経験はありますか?
ないですね。僕が出てた作品で引きこもりの人が出てきた事自体ないんじゃないですかね。

■芝二郎のキャラクターは佐藤さんの発案で作られたのですか? また役作りで注意した点は?
撮影に入る前、永森(既述)さん、監督の亀井さんと僕とスタッフ何人かで呑んだこと事があって、その時は「面白い事はせずに、普通にやろうと思います」みたいな話をしてたと思います。それから撮影までの期間でセリフを覚えていたんですけど、役者ってセリフを覚える時にプランが出来ることが多いんですよね。これだけ面白い役は役者にとってモチベーションも上がるし、何もしないのはもったいないな〜、やっぱり一癖つけようと思いました。その時に注意した点が、一癖がやりすぎちゃうと見てる人が白けちゃうので、実際にいるかも知れないな、というような事を考えて作ったんですよね。 引きこもりってけっこう重いテーマじゃないですか。しかも芝二郎は精神的に何かを抱えていて、非常に繊細な問題で、そこを真摯にやらないとダメだな思いました。そこ発信で考えるとある意味病的かも知れないけど、ずっと顎に手をやっていたり、「うんっ」っていう口癖とかは、面白くしたいっていうのは全然なくて、精神的に何かを抱えていた場合、そういう癖があってもおかしくないなって思い考えました。

佐藤二郎

表現は抑えずに癖もつけてやろうかなって事で”攻める”という言葉を使いました。

■目を合わさない演技が多くあるようですが、難しかったのでは?
もうおっしゃる通りです。オタクってわりと早口で喋る人いるじゃないですか。そういう人って目を合わせない人が多い。だから早口とか一気にまくし立てたりとか、目を合わせないって事をやったんですよ。役者って相手役の目を見て喋って、声のトーンとか目で次の演技をもらう事も多いわけですよ。多いし、そっちの方が楽なわけですよ。だけど目を見てないから相手役の表情も分からないし、ちょっと苦労しましたね。こういうプランにして、しまったと思いましたね。でも止めるわけにはいかないので最後までやりましたけど。とにかく相手のセリフを集中して聞くことでなんとか切り抜けましたね。

■攻めの演技を心掛けているそうですが、攻めとはどのような部分ですか?
今までずっと脇をやっていて、今回主演をやるって事でひよっちゃダメだなと思い、“攻める”という表現を使ったのもあるし、主役の人は表現する欲望を割りと抑えて演じる場合が多いと思うんですよ。脇はワンシーンだけ来て表現をワーってやって帰っていくけど、主役の人はずーといるので気持ちを繋げるのも大事だし抑え目にって事が多いような気がします。そういう意味でも表現は抑えずに癖もつけてやろうかなって事で”攻める”という言葉を使いました。

■主演として佐藤さん流の盛り上げ方を教えてください。
子供の頃から、僕は意識してないのに周りに笑ってる人が多かったような気がしますね。それはそういうものが僕の中にあるのかなと思って…。主役だからこう振る舞おうということは頭では考えずにやっても、そんなにギスギスした雰囲気にはならないだろうし、それは深く考えなかったですね。でもやっぱり、今回の現場も非常にみんな仲良くて監督の亀井さんの雰囲気、気遣いが功を奏したんだと思うんですけどすごく楽しい現場でした。

佐藤二郎

個人的に動物好きでもないし、嫌いでもない。けど割りと好かれるんですよね。

■犬との演技はご苦労が多くあったのでは?
たしかに犬あわせのシーンではどうしても奴さんがどう動くか分からないので、苦労するんだろうなと思ってたんですけどそんなに苦労はなかったですね。僕は個人的に動物好きってわけでもないし、嫌いでもないし、普通なんですけど割りと好かれるんですよね。僕も動物を御すにはこうすればいいってこともあまり考えなったし、苦労なく順調に行きましたよ。一郎役の子には鳴くのが得意な子とか、歩くのが得意な子とか何匹かいるんですけど、それがうまくはまらない時があってそういう時には撮影が1時間、2時間延びちゃうってことはありましたよね。でもしょうがないですよね。

■本作の撮影での苦労エピソードをお聞かせ下さい。
ドラマ版と映画版、両方同じ時期に撮影したんですよ。ドラマも1話から順々に撮っていくわけじゃなくて、たとえば8話撮って、5話撮って、映画のシーンをとって、またドラマに戻る。もうわけが分からなくなっちゃうんですよね。それはやっぱり大変でしたね。でも芝二郎は感情の起伏を外に出さない人なので、気持ちが繋がってなくても(なくちゃいけないんだけど)ちょっと誤魔化せたというところはありましたね。誤魔化せたってそれはいかんな。大丈夫ですちゃんと繋がってますから。

佐藤二郎

引きこもりというかなり痛いテーマも同時に扱っている。僕としてはそっちも見てほしい。

■連続ドラマ「幼獣マメシバ」のズバリ見どころは?
うちの猫派の嫁が見ても「マメシバかわいい」って言ってるくらいたくさんかわいい表情をしているので是非、そこを見ていただきたいんですけど、35才の中年で引きこもりというかなり痛いテーマも同時に扱っているので僕としてはそっちも見てほしいですね。引きこもりはただの甘えではなくて、抱えている精神的なものがあって、それが故に外に出たくても出られない。でも出たいと一番思っているのはお母さんでもお父さんでもなく、本人だと思うんですよね。精神的なことを少しずつ克服していく過程を見ていただきたいと思います。

■本作を通して視聴者のみなさまに最も伝えたいメッセージはなんですか?
たとえば人間の弱い部分、核のよなものあるとして、普通はその周りにいろんなものを誤魔化して、衣のようなものを付けているとする。でも二郎にはこの核に衣があまり付いていない感じがするんですよね。だから言葉で理論武装したりいろいろしているのだけれど、その弱い部分って誰でも共感できるものだと思うんですよね。僕自身もすごく共感できるところです。

佐藤二郎

いまいち何が言いたいのか分からない感じが僕は好きです。

■劇中アニメ「じんじゃーまん」はチェックされましたか?
じんじゃーまん 拝見しました。すばらしいですね。大人に見てほしい。深い意味があるのか、ないのか。意味も深いのか、浅いのか。よく分からない感じがいいですよね。アニメとか大概は勧善懲悪だったり、非常に分かりやすいじゃないですか。いまいち何が言いたいのか分からない感じが僕は好きですけどね。

■「ことなかれヒーロー」というテーマはいかがですか?
まったくアニメにはふさわしくない「ことなかれ」。ぐさっときますね。

■最後にひかりTVの視聴者に一言お願いします。
ひかりTVをごらんの皆さま、佐藤二朗です。 僕の初主演の「幼獣マメシバ」。僕なりに攻めた演技をしておりますので是非、ご覧下さい。 宜しくお願いします。

プロフィール

佐藤二朗(芝 二郎:実家に暮らす無職の中年ニート)
1969年5月7日 愛知県春日井市生まれ。1996年、劇団ユニット「ちからわざ」を旗揚げ。以来全ての公演で作・出演。ひょうひょうとして 温かみのある独自の存在感に魅せられたファンは多い。多数のドラマ・映画にも出演。「電車男」、「ごくせん」、「33分探偵」など でのユーモラスでインパクトのある演技は記憶に新しい。また近年は、「ケータイ刑事・銭形シリーズ」、「恋する日曜日」などTV ドラマの脚本にも進出、2008年には初の監督・脚本映画「memo」を公開した。「幼獣マメシバ」劇場映画版は2009年6月中旬公開予定。

主なTVドラマ出演
「電車男」黒木役、「33分探偵」:鑑識官役、「ごくせん」シーズン3:古典教師・牛島役、「未来講師めぐる」藪中役、「モップガール」東役、「医龍2」松平医師役 ほか多数
主な映画出演
「スウィングガールズ」、「模倣犯」、「ピンポン」、「星になった少年」、「包帯クラブ」、「スマイル〜聖夜の奇跡〜」、「ぐるりのこと。」、「GSワンダーランド」、「20世紀少年―第2章―最後の希望」、「memo」(佐藤二朗監督作品) ほか多数

佐藤二郎

佐藤二朗 オフィシャルサイト

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