2017.09.14木曜日

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コラムcolumn

巨匠リドリー・スコット監督が生み出したSFシリーズ「エイリアン」、伝説は今も続く!

映画史に金字塔を打ち立てたSFシリーズ「エイリアン」。その第1作を手掛けたリドリー・スコット監督が自らメガホンを執った最新作「エイリアン:コヴェナント」(9月15日公開)は、原点回帰的な緊張感やスリル、ショッキングな描写が満載と話題! 秋の夜長、最新作はもちろん原点となる伝説的シリーズ4作や前作「プロメテウス」を見て、どっぷりと「エイリアン」の世界に浸ってみませんか?

エイリアン:コヴェナント
「エイリアン:コヴェナント」
9月15日(金)公開 配給:20世紀フォックス映画
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

旧シリーズ4作はヒットメーカーの個性が炸裂

1979年~1997年にかけて製作された「エイリアン」シリーズ4作では、シガーニー・ウィーヴァー演じる女性航海士リプリーを主人公に、人類と凶暴な生命体エイリアンとの戦いが描かれました。大まかなストーリーは共通していながらも、異なる監督が手掛ける4作は、それぞれの作風が色濃く出ているのが、面白い。しかも監督は、ジェームズ・キャメロンやデヴィッド・フィンチャーといった、後のヒットメーカーたちばかり!

1979年に公開された「エイリアン」が大ヒットを記録し、伝説は幕を開けます。

エイリアン
エイリアン
© 1979 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

舞台となる時代は、今からまだまだ遠い未来の2124年。乗組員7人を乗せて地球へ帰港中の宇宙貨物船ノストロモ号は、SOSと思われる発信者不明の信号を受信し、ある惑星に着陸。探索に向かうと、謎の宇宙船と化石化した異星人“スペース・ジョッキー”、そして無数の卵を発見します。その間、信号はSOSではなく警告だと解読されますが時すでに遅く、卵に近づいた1人の乗組員にエイリアンが寄生。彼の体内から出てきたエイリアンによって乗組員たちに悲劇が…。

「グラディエーター」(2000年)や「オデッセイ」(2015年)など、近年でも健在ぶりを発揮している巨匠リドリー・スコットが、監督2作目にして世界的な成功を収めた本作。当時はまだ無名だったシガーニー・ウィーヴァーも、一躍スターの仲間入りを果たしました。

エイリアンの破壊力のあるビジュアルや、人間の体を突き破って出てくる描写、緊張感あふれる演出など、今見ても新鮮なスリルを与えてくれる、まさにSF映画の傑作です。

ちなみに、長い後頭部が特徴的なエイリアンが“ゼノモーフ”、胸を突き破って出てくる形態が“チェストバスター”(ちょっとカワイイ)、顔に張り付くのが“フェイスハガー”といいます。

1作目と並んで人気が高いのが、2作目の「エイリアン2」(1986年)。前作では1匹のみだったエイリアンが、複数登場することから原題は「ALIENS」となっています。

エイリアン2
エイリアン2
© 1986 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

前作から57年後、宇宙を漂っている船の中から、睡眠カプセルで眠るノストロモ号の生存者リプリーが発見されます。ノストロモ号が降り立った惑星LV-246には今、植民地にするため技術者とその家族が住んでいると聞き驚愕するリプリー。やがて惑星と連絡が途絶え、相談役として同行を求められたリプリーは、海兵隊と共に惑星へと向かうことに。

1作目がホラーだったのに対し、本作は戦争映画のようなアクション大作。監督は、「ターミネーター」(1984年)、「タイタニック」(1997年)、「アバター」(2009年)で知られるジェームズ・キャメロンです。本作のリプリーは、生き残っていた少女に対して母性を覚醒させ、よりたくましくパワーアップ。さらに卵を次々と生み出すエイリアン・クイーンも登場するなど、“強い女”が描かれるのはキャメロン作品ならではですね。

エイリアン3
エイリアン3
© 1992 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
エイリアン4
エイリアン4
© 1997 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

続く3作目「エイリアン3」(1992年)の舞台は、男しかいない犯罪者の労働矯正施設。その施設がある惑星フィオリーナ161に、リプリーたちの乗った救命艇が墜落。唯一生き残ったリプリーは、武器のないこの地で、囚人たちと共にエイリアンに立ち向かいます。

「セブン」(1995年)、「ファイト・クラブ」(1999年)、「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)などのヒットメーカー、デヴィッド・フィンチャーの初監督作。前2作とは一線を画す、フィンチャー作品ならではのダークな世界観に満ちています。また、犬の体から生まれた4本足のエイリアンが登場するほか、シラミ対策のためリプリーが丸刈りになったり、エイリアンに寄生されてしまったりと、何かと衝撃的な内容になっているんです。

そして前作から200年後の2470年を描いたのが「エイリアン4」(1997年)。エイリアンを体内に宿したまま亡くなったリプリーがクローン再生され、リプリーの体内から取り出したエイリアンを、軍が生物兵器として利用しようとします。しかし当然のごとく、エイリアンによって乗組員たちが次々と犠牲に…。エイリアンの遺伝子から凶暴さと運動性を引き継いでいたクローンのリプリーは、軍と闇取引をしていた民間貨物輸送船ベティ号の乗組員たちと力を合わせ、エイリアンと対峙します。

グロテスクな描写が多かったりブラックユーモアも盛り込まれるなど、シリーズの中でもカルト的な人気を誇る本作。特にクローン・リプリーとエイリアンとの母子描写は、恐怖と共に思わず笑いがこみあげてくる…なんてことも。水中を泳ぐエイリアンも初めて見られますが、こちらもやはり怖い…。

フランスの映画監督ジャン=ピエール・ジュネのハリウッドデビュー作で、本作の後の作品が女子受けのいい「アメリ」(2001年)というギャップも、いいですね

人類の起源、エイリアン誕生の謎に迫る新シリーズ

4作目の公開から20年が経つ今でも、魅力が色あせない「エイリアン」シリーズ。伝説は幕を閉じたと思いきや、“創造主”であるリドリー・スコット監督の手によって、前日譚となるシリーズが始まっています。

第1作が、“人類の起源”という壮大なテーマに迫る「プロメテウス」(2012年)。主人公は、世界各地で発掘された古代文明の遺跡が示すサインを、人間を創造した“エンジニア”からの“招待状”だと信じる考古学者のエリザベス・ショウ。人類の起源の謎を解明すべく、彼女やアンドロイドのデヴィッドら17名は、ウェイランド社の宇宙船プロメテウス号に乗り込み未踏の惑星へ向かいます。しかし降り立った惑星には、恐るべき脅威が…。

プロメテウス
プロメテウス
© 2012 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

その続編「エイリアン:コヴェナント」でついに描かれるのが、“エイリアン誕生”の真実。「プロメテウス」のラストから10年後、「エイリアン」の20年前となる2104年の物語です。

宇宙移住計画を実行するため、乗組員15名、入植者2000名、胎芽1140体を乗せた宇宙船コヴェナント号は、地球から惑星オリガエ6へ旅立ちます。その途中、強大な衝撃波を受けたことで船体はダメージを受け、船長はじめ数十人が落命。そして修復作業を行うなか、謎の電波を受信し、発信元の惑星に向かうことに…。

この最新作では、新種のエイリアン“ネオモーフ”が登場します!そして前シリーズでもアンドロイドは物語のアクセントとして重要でしたが、このシリーズで美形俳優マイケル・ファスベンダーが演じるアンドロイドが、さらに重要な存在となっています。プロメテウス号に乗るデヴィッドと、コヴェナント号に乗るウォルター。「エイリアン:コヴェナント」では、その旧世代と最新型のアンドロイドが対峙。感情や創造性のレベルが異なる2体の葛藤は必見ですよ。

原点となる「エイリアン」の根底にあったのは、宇宙のモンスターとのサバイバルというシンプルなストーリーでした。新たなシリーズでは、人類はどのように誕生し、エイリアンは誰が何のために作ったのかなど、より豊かで深い層を加えてストーリーが展開していきます。

シリーズのファンにとっては、1作目の「エイリアン」に登場した“スペース・ジョッキー”など、これまでの謎が明かされるのか、果たして1作目にきっちりとつながっていくのかが気になるところ。さらなる続編のプランもあるようなので、今後の展開も見逃せませんね。

まとめ

まもなく80歳を迎える今なお、意欲的に作品を作り続けるリドリー・スコット監督。彼が創造し、さらに壮大なストーリーへと広げ続ける「エイリアン」の世界へ、躊躇せず飛び込んじゃいましょう。

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