2017.11.24金曜日

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コラムcolumn

「ハリー・ポッター」だけでは語れない! 大人になったエマ・ワトソンの、知られざる一面!?

エマ・ワトソンとトム・ハンクス、スター俳優2人の共演が話題を呼ぶ映画「ザ・サークル」が11月10日に公開。現代社会を象徴するツール“SNS”をテーマにしたサスペンスで、最先端のインフルエンサーという役柄に、自身も世界的に注目を集めるエマ・ワトソンが挑んでいます!

「ザ・サークル」
「ザ・サークル」
11月10日(金)全国ロードショー 配給:ギャガ
©2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.

世界中からフォローされているエマ・ワトソンが、SNSを通して24時間を公開⁉

映画「ザ・サークル」は、2013年に全米で大ベストセラーとなったデイヴ・エガーズの同名小説を実写化。近い将来、現実に起きてもおかしくなさそうなSNSを取り巻く光と闇を、スリリングに描いたサスペンス映画です。

物語は、冴えない日々を送る24歳のOL・メイ(エマ・ワトソン)が、親友の取り計らいによって世界最大のSNS企業“サークル”に入社したことから動き出します。やがてある事件によってメイは、創始者でありカリスマ経営者のベイリー(トム・ハンクス)の目を引き、新サービス“シーチェンジ”の実験モデルに抜擢されます。それは、超小型カメラをいたるところに設置し、自分の24時間をネット上に公開するというもの。フォロワーはあっという間に1000万人を超え、一躍メイはアイドル的な存在に。やがて彼女は、ベイリーが唱える壮大な理想“全人類の透明化”のため、新たに開発されたサービス“ソウルサーチ”の公開実験を行いますが、そこで思わぬ悲劇が起きてしまいます。

SNSによって犯罪やテロを根絶し、世界を改革しようという理想を掲げるベイリー。扮するトム・ハンクスの、いつもの愛嬌たっぷりのキャラクターとは違う影のある演技は絶品ですが、注目したいのは「プライバシーは過去の遺物」と言い、完全な監視社会へと足を踏み入れる主人公・メイを演じるエマ・ワトソンです。

「メイにはとても共感できるし、彼女の下した様々な決断の理由が本当によく理解できる」と語るワトソン。 さらに、プライベートの自分自身とオーバーラップさせて「若い頃から人目に晒(さら)されてきた人間として、私は公私の線引きはいつも重要だと感じていたわ。この役、この映画を通して、以前よりもずっと強くそう思うようになった」とも語る姿に、ワトソンの本気を強く感じます。

自身もTwitterで2600万人以上のフォロワーを抱える彼女が演じることで、観ているこちらもメイというキャラクターがリアリティを持ちます。そして、メイの姿と自分自身を重ね、SNSを通じてプライバシーを安易に世界と共有している自分に気付き、ゾッとしてしまう…なんて人も、多いのではないでしょうか。

そんなエマ・ワトソンと言えば「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニー役で有名ですが、青春映画から社会派サスペンスまで、多才な作品を経て役柄の幅を広げています。 また、フェミニストとしての活動も、彼女を語る上ではずせません。

「ハリー・ポッター」のイメージからの脱却!? 多彩な役柄に挑むエマ・ワトソン

ハリー・ポッターと賢者の石
ハリー・ポッターと賢者の石
HARRY POTTER characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc. © 2001 Warner Bros. Harry Potter Publishing Rights © J. K. Rowling. © 2001 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
HARRY POTTER characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc. Harry Potter Publishing Rights © J. K. Rowling. Harry Potter and the Prisoner of Azkaban © 2005 P of A Productions Limited. © 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

10歳の時に「ハリー・ポッターと賢者の石」(2001年)のオーディションでハーマイオニー役を射止めてデビューし、以降「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(2011年)までシリーズ全8作で同役を演じ続けたエマ・ワトソン。キュートで聡明、やや頑固なハーマイオニーという役柄の成長と共に、女優としての成長を世界中から見守られてきた彼女は、一気に世界的スターへと昇り詰めました。2000年代に最も高い興行収入を上げた女優として、ギネスにも認定されています。よって“エマ・ワトソン=ハーマイオニー”と世界中に認識されてしまうのは当然ですよね。

しかし、ハリー・ポッター役のダニエル・ラドクリフが“怪優”として新たな人気を獲得しているように、ワトソンも「ハリー・ポッター」終了後、多彩な役柄に挑み、今やさらなる人気と実力を誇る女優となっています。

例えば、アメリカでは“ティーンの教科書”とも言われるベストセラー小説を、著者自らメガホンを取り映画化した「ウォールフラワー」(2012年)。スクールカーストの最下層に位置付けられた男子高校生・チャーリー(ローガン・ラーマン)が、ある兄妹との出会いによって生活を一変させていく様子を、ザ・スミスやデヴィッド・ボウイなどの名曲にのせて描く青春映画の傑作です。エマ・ワトソンが演じるのはチャーリーが思いを寄せる少女・サム。「ハリー・ポッター」が続く間はヘアスタイルを変えられなかったワトソンが、最終章の撮影終了後、髪をベリーショートにバッサリとカットしたことは大きな話題を集めましたが、本作ではそんなショートヘアのワトソンを堪能できます。

優等生のハーマイオニーからかけ離れた役で言えば、実際に起きた事件を基にしたソフィア・コッポラ監督作「ブリングリング」(2013年)が印象的。役柄は、ハリウッドセレブ宅を狙ったティーンの窃盗団の一人。犯行を悪びれることなく、犯罪者となった話題性を利用してちゃっかり自分のwebサイトを宣伝する軽薄でしたたかな少女を、色っぽい表情と仕草で演じるワトソンに、ドキッとさせられます。

“世界で最も美しい顔ベスト100”の2011年版で1位に輝き、2016年版でも13位にランクインするなど、美少女の面影そのままに成長したワトソンですが、その輝きは美貌だけではありません。

女優業のかたわらアメリカの名門・ブラウン大学を卒業。そして自己成長のため女優業を1年休業していた間、国連が立ち上げたフェミニズムのキャンペーン「He For She」の広報大使として活動し、フェミニズムの読書クラブ「Our Shared Shelf」を立ち上げました。2014年に国連本部で行った「男女差別撤廃」を訴えるスピーチも多くの賞賛を集め、話題に。

コロニア
コロニア
©2015 MAJESTIC FILMPRODUKTION GMBH/IRIS PRODUCTIONS S.A./RAT PACK FILMPRODUKTION GMBH/REZO PRODUCTIONS

「コロニア」(2015年)という作品には、そんな彼女の強さ、繊細さ、美しさが詰まっています。この作品は、1973年にピノチェト軍事独裁政権下のチリに実在した、極秘拷問施設 “コロニア・ディグニダ”を題材にしたサスペンス映画。本作について「女性は囚われる側を演じることが多いですが、この映画では女性が男性を救い出そうとする、その設定に強く惹かれました」と語るワトソン。彼女が演じるキャビンアテンダントのレナは、反体制勢力として囚われた恋人・ダニエル(ダニエル・ブリュール)を救い出すため、同施設に捨て身の潜入を試みます。愛のために、囚人のような生活や拷問にも耐える女性を、繊細かつパワフルに演じるワトソンに胸が締め付けられます。

強い意志を持つプリンセス・ベルを、エマ・ワトソンが美しい歌声と共に体現

そして2017年、エマ・ワトソンの新たな代表作となる作品が公開されました。それが、ディズニーの名作アニメーションを実写化した「美女と野獣」(2017年)。アニメーション版が、アカデミー賞作品賞にノミネートされるなど名作として語り継がれるだけに、ハードルが高かったであろう実写版ですが、ふたを開けてみれば世界的に大ヒット。

魔女の呪いで醜い野獣の姿に変えられた王子(ダン・スティーヴンス)と、聡明で美しい女性ベル(エマ・ワトソン)との真実の愛を描くというストーリーや、物語を彩る楽曲など、実写版はアニメーション版へのリスペクトを十二分に感じられる忠実さ。エマ・ワトソンのベルの再現度も完璧なのです。

4歳の頃から「美女と野獣」に夢中だったというワトソンは、ディズニープリンセスの中でベルが最も好きで、最も自分に近い存在だと感じていたと言います。確かに、読書が好きで、待つだけでなく自ら行動を起こすベルの姿は、社会に目を向け、強い意志を持つ女性に成長したエマ・ワトソンのイメージと強く重なります。そして、ベルと言えば美しい歌声が魅力的ですが、エマ・ワトソンのナチュラルで澄んだ歌声は、ベルの心情をこちらにストレートに伝えてくれます。さらに、華麗でエアリーなイエロードレスを軽やかに揺らし、ベルが野獣と踊る有名なボールルームのシーンは、夢のような美しさ!

まとめ

「ハリー・ポッター」シリーズで輝かしいキャリアを築くも、それにおごらず、女優の前に1人の人間として世界と向き合うエマ・ワトソンは、まさに男女問わず憧れてしまう存在。そんな彼女だからこそ、こちらの感情に訴えかけるような芝居ができるんですね。紹介している以外にも、母性あふれるワトソンを見られる「ノア 約束の舟」もチェックしてみてください。

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