2018.01.23火曜日

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コラムcolumn

映画もテレビアニメも、最近の“スパイ”モノはユーモアあり重厚ドラマありで、ドはまり注意!

「キングスマン:ゴールデン・サークル」
「キングスマン:ゴールデン・サークル」
2018年1月5日(金)公開 配給:20世紀フォックス映画
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

世界中で大ヒットを記録したイギリス発のスパイアクション映画「キングスマン」(2015年)。約2年ぶりの続編「キングスマン:ゴールデン・サークル」が1月5日に公開。いつの時代も“スパイ”というモチーフは人を引き付けますが、最近のスパイモノは、アクションやサスペンス好きだけじゃない、さまざまな層を刺激しているんです!

英国紳士のスパイ“キングスマン”が壊滅! からのアメリカ進出!?

キングスマン
キングスマン
© 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation

「007」シリーズのジェームズ・ボンドという、世界一有名なスパイと言っても過言ではないキャラクターを生み出したイギリスから、新たに誕生したスパイ・ムービー「キングスマン」(2015年)。

表の顔は、ロンドンのサヴィル・ロウに店を構える高級テーラー、しかしその実態はどの国にも属さない世界最強のスパイ機関、それが“キングスマン”。 そのエース・エージェントであるハリー(コリン・ファース)が、ストリートでくすぶっていたエグジー(タロン・エガートン)を新人候補としてスカウト。 1作目の「キングスマン」では、人類抹殺計画の阻止に挑む中で、エグジーが真のキングスマンとなるまでが描かれます。

作品の魅力は、スタイリッシュにスーツを着こなした英国紳士がみせるキレッキレなアクション、大人も胸躍るスパイ・ガジェット、スピード感あふれるストーリー展開。これだけ聞くと、王道スパイ映画に思えますが、いえいえ、他の作品とは一線を画すほどぶっ飛んでいます!

象徴的なのは、教会での殺戮シーンや、悪役・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)の基地での闘いのシーン。その斬新な映像に度肝を抜かれます! 不謹慎にも、感動すら覚えるほど…。

そして続編「キングスマン:ゴールデン・サークル」は、世界的麻薬組織ゴールデン・サークルの突然のミサイル攻撃によってキングスマンが壊滅する、という衝撃的な展開から幕を開けます。 生き残ったエグジーとメカニック担当のマーリン(マーク・ストロング)は、表向きにはウイスキーの蒸溜所を経営するアメリカの同盟機関・ステイツマンと合流。 文化の違いに戸惑いながらも、2つのチームが敵の陰謀を阻止すべく立ち向かいます。

本作の悪役であるゴールデン・サークルのサイコパスなボス・ポピー役にジュリアン・ムーア、ステイツマンのメンバーにチャニング・テイタム、ハル・ベリー、ジェフ・ブリッジスなどなど、新キャラクターを演じるキャストがとにかく豪華!

そして、傘や万年筆、指輪、メガネといったおしゃれなスパイ・ガジェットを駆使するキングスマンに対し、投げ縄を操るコテコテなカウボーイスパイのステイツマン。この分かりやすいイギリス文化とアメリカ文化の対比にニヤリとさせられます。

さらに、ロンドンを疾走するオープニングのカーアクションや、イタリアのアルプスでのゴンドラを使ったシーンなど、本作のアクションも期待を裏切らないクレイジーぶり!

まさかの復活を果たす(なぜ復活なのかは一作目を見ましょう!)ハリーとエグジーの師弟愛や、チームの絆など、キングスマンファンの胸を熱くするシーンもたっぷりです。

妻の疑惑、国家の秘密に翻弄される男たちを描いた傑作

マリアンヌ
マリアンヌ
© 2017 Paramount Pictures.

最近では、イギリス情報部MI6(ジェームズ・ボンドと同じ)に所属する最強の女スパイを、シャーリーズ・セロンが熱演した「アトミック・ブロンド」(2017年)が話題を集めました。実は同じ年、“スパイ”をキーワードにした重厚な作品が公開されています。

その一つが、ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールの2大スターが共演した「マリアンヌ」(2017年)。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズや「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994年)などで知られるロバート・ゼメキス監督がメガホンを取ったラブストーリーです。

1942年、フランス領モロッコ・カサブランカで出会った、極秘諜報員マックス(ブラッド・ピット)とフランス軍レジスタンスのマリアンヌ(マリオン・コティヤール)。2人は夫婦を演じ、ドイツ大使を暗殺するという連合国軍の重要なミッションを見事完遂。 まもなく本物の夫婦となり、娘をもうけてロンドンで暮らし始めますが、ある日、マックスは妻に二重スパイの疑惑がかかっていると知らされます。

「愛する人は本当に自分を愛しているのだろうか?」。誰もが抱いたことがあるであろうこの疑念、非常に厄介ですよね。 相手が優秀なスパイであれば、なおさら信じることは難しいでしょう。それでも妻を信じようと、自ら調査を始めるマックスに、胸が締め付けられます。

1940年代のカサブランカやロンドンを再現した景色もスゴイですが、それにしても、ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールの美しさはため息ものです。

スノーデン
スノーデン
© 2016 SACHA, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

もう一つは、まったくジャンルが違う「スノーデン」(2017年)。 2013年6月、かつてCIAや国家安全保障局(NSA)に属していたエドワード・スノーデンが、アメリカ政府による国際的な監視プログラムの存在を内部告発した“スノーデン事件”。 彼が告発するに至るまでの経緯を、社会派の巨匠オリバー・ストーン監督がジョセフ・ゴードン=レヴィット主演で映画化したのがこの作品。

いわば国家によるスパイ。 対テロ諜報活動の名のもと、テロリストだけでなく民間企業や個人、日本を含む同盟国まで対象になっていたという事実に、驚愕&恐怖。 日本の横田基地に赴任していたスノーデンが、日本の通信システムやインフラも乗っ取っていた、と語り、クリック一つで日本列島が真っ暗になっていく映像にはゾッとしました。

作品としても、プログラムの話は難解で説明的になってしまいそうですが、ニュース映像や写真などが巧みに組み合わされ、飽きさせない演出になっているのはさすが。 徐々にストレスにむしばまれていくスノーデンの心理状態も、パートナーとの関係性なども絡めて丁寧に描かれていて、人間ドラマとしてもしっかりと楽しめます。

見ればいろいろと考えさせられますが、とりあえず、作中のスノーデンの行動にならって、筆者もパソコンのカメラ部分にシールを貼りました。

アニメ好きならずとも必見! 5人の少女の活躍を描くスパイアクション

プリンセス・プリンシパル
プリンセス・プリンシパル
© Princess Principal Project

最後に、2017年に放送されたオリジナルアニメ「プリンセス・プリンシパル」を紹介します。

物語の舞台は、19世紀末、革命によって東西に分断されたアルビオン王国の首都ロンドン。 巨大な“ロンドンの壁”を隔てて王国と共和国に分かれ、ロンドンは各国のスパイが暗躍する場所になっています。

そして共和国側のスパイである5人の少女が、クイーンズ・メイフェア校に通う女子高校生を隠れ蓑に、さまざまな任務をこなしていく様子が描かれた本格的なスパイアクションです。

しっかりと作り込まれた壮大な世界観が魅力で、少女たちのかわいらしい見た目に反して、シリアスでビターな結末を迎えるストーリーも多く、第一話からグイグイと引き込まれていきます。

それぞれにつらい過去や過酷な運命を抱える少女たち。 その背景も掘り下げて描かれるので、すっかり彼女たちに心奪われ、父親やかつての仲間との切ない物語に泣かされてしまいます。 街並みをはじめとする背景や、キャラクターの表情、仕草が丁寧に描き込まれているのも、感情移入をする助けとなってくれます。

また、疾走感や重厚感のある、スパイアクションにピッタリな音楽がまたカッコイイ! アニメに疎い人でも、一度見れば次も!次も!と夢中になってしまいますよ。

まとめ

ジャンルを超え、多面的な魅力を持つ作品が充実してきているスパイモノ。オスカー女優ジェニファー・ローレンスが美貌で誘惑する女スパイを演じる「レッド・スパロー」(3月30日公開)も、新たな風を起こしてくれそうな予感。それぞれ新作が控える「ミッション・インポッシブル」シリーズ(7月全米公開予定)、「007」シリーズ(2019年公開予定)のような、王道ももちろん見逃せません!

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