2018.02.23金曜日

このエントリーをはてなブックマークに追加

コラムcolumn

30歳までもう少し。今しか目撃できない松坂桃李の、振り幅の大きい役柄に挑戦し続ける、決意

「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」
「不能犯」
2018年2月1日(木)全国公開 配給:ショウゲート
©宮月新・神崎裕也/集英社 2018「不能犯」製作委員会

「グランドジャンプ」にて連載中の同名コミックを、松坂桃李主演で実写映画化した「不能犯」(2月1日公開)。朝ドラ「わろてんか」(NHK·2017~2018年)での笑顔が爽やかな旦那様のイメージから一転、松坂桃李が危険な香りの漂うダークヒーローを演じています。そう、俳優·松坂桃李はこのふり幅の広さがすごいんです!

まさに目で殺す! 松坂桃李が挑むダークヒーロー

印象的かつ、どこか不気味な響きを持つタイトル、「不能犯」。それは、犯罪を意図した行為でも、実現が不可能であれば罪に問われない“立証不可能犯罪”を意味します。

松坂桃李(まつざか·とおり)演じる主人公·宇相吹正(うそぶき·ただし)は、赤く光る目で相手を見つめるだけで、心を操り死へと導くことができる男。依頼を受けると、ターゲットを確実に死に至らしめますが、その死因はどれも病気や自殺、事故…つまり彼の犯行は不能犯。

本作は、そんな宇相吹に翻弄され、破滅していく人々の姿を残酷なまでに描いていきます。そして、宇相吹のマインドコントロールが唯一効かない多田刑事(沢尻エリカ)が、宇相吹を止められるのか…という攻防がクライマックスに向けて盛り上がっていきます。

この新感覚ダーク·スリラーは、宮月新原作、神崎裕也作画による同名コミックが原作。筆者もコミックを絶賛愛読中ですが、人間の欲望をあぶり出してこれでもかと突きつけて来るダークな物語、妖しい魅力を持った宇相吹というキャラクターに、読み始めてすぐに心をつかまれました。そんな宇相吹を見事に体現している松坂桃李。スタイリッシュに着こなす黒スーツ(宇相吹のいわば制服)、「愚かだね、人間は」とつぶやく決めゼリフ、口角を上げて「ニタァ」とする笑い方……超不気味!(ほめてます)

原作の宇相吹は、猫たちにやたらなつかれたり、大家に家賃を払えと迫られたり、人間味を感じさせる描写が登場しますが、映画ではそれを排除し、より“得体のしれない”感が強調されています。確かに、“猫と戯れる松坂桃李”の映像は、不気味より萌えが勝ってしまいそう…。

来たる30代に向けて、多彩な役柄に果敢に挑む松坂桃李

1988年10月17日生まれ、まもなく30歳を迎える俳優·松坂桃李。

端正な顔立ち、スラリとした長身のスタイル、全身から放出されている色気…。 いるだけで人を引き付ける、あらゆる要素を兼ね備えていますよね。

では俳優·松坂桃李の出演作品と聞かれて、まっさきに浮かぶのは何でしょう。 今だったら、やはり「わろてんか」でしょうか。 芸の才能がなく、失敗ばかりのダメダメな藤吉(松坂桃李)に最初は少々イライラして、「ヒロイン·てん(葵わかな)の相手は伊能さん(高橋一生)の方がいいんじゃないの?」なんて勝手なことを思ったものですが…。でも柔らかい笑顔と優しい口調にほだされてしまうのか、松坂桃李演じる藤吉は、どうしても憎めないんですよね。

「ゆとりですがなにか」(日本テレビ·2016年)で演じた、女性経験のない小学校教師の役が印象に残っている人も多いのでは。 あれだけのビジュアルを持ちながら、見事に冴えない感じに見えるという、そのなりきり具合はさすが。

貴重な歌唱シーンが拝める「キセキ -あの日のソビト-」(2017年)も記憶に新しいところ。 メタルバンドのボーカルとしてライブで歌う松坂桃李、相当セクシーです。 夢をあきらめ、弟に夢を託す複雑な兄の心情を、繊細な演技で表現し、グッと引き付けられます。

挙げだしたらキリがないほど、ここ数年、映画やドラマ、舞台において、幅広い役柄を演じ、今や主演でも助演でも欠かせない演技派俳優の一人となった松坂桃李。 しかも、「不能犯」を含め、「彼女がその名を知らない鳥たち」(2017年)で演じた“クズ男”や、舞台「娼年」(2016年)での男娼役などなど、クセの強い難役が多い!

というのも、20代後半になった頃から、30代になった時のためにやれるだけのことはやっておこうという決意もこめたスタンスに自らシフトし、この現状につながっているようです。

そして先日「彼女がその名を知らない鳥たち」の演技が評価され、第39回ヨコハマ映画祭で助演男優賞を受賞。 見たくても見れなかった人が続出した「娼年」は、同じく主演を務めた映画版が4月6日から公開。舞台版でも過激な性描写が話題になっただけに、映画版も当然のごとくR18指定。世のオトナ女子たちは、ドキドキして公開を待ちましょう。

どの桃李が好き? 演じてきたすべてが松坂桃李のハマリ役

前述したように、演じてきた役柄において、ふり幅の広さを発揮してきた松坂桃李。 その中でも、特にクセが強いけど、意外にもハマってると思った作品を紹介します。

まずは「劇場版 MOZU」(2015年)から。 2シーズンにわたって放送されたテレビドラマの劇場版で、松坂桃李はこの劇場版で初めて登場します。 演じるのは残虐なテロリストの役で、彼が暴れ回るシーンは完全にホラーの様相を呈しています。 感情を感じさせない目に、「闇でも抱えてるのかな…」と心配になるほど。 そしてあるシーンでは、女装をし、高笑いをし、血まみれになりながらナイフをグサグサ…。 思わず笑っちゃうくらい、過激な役をイキイキと演じている(ように見える)松坂桃李がステキです。

「ピース オブ ケイク」(2015年)で演じているオカマの天ちゃんは、最高にかわいいキャラクター。 多部未華子、綾野剛たちが演じる男女の恋愛模様が、リアルすぎて見ていて苦しくなるほどですが(いい意味で)、なかなかエグイ下ネタを軽く放ってきたりする天ちゃんの明るい存在感に癒されます。 何より、笑う時の仕草や目線の動きなど、細かいところまで徹底的に女性っぽいのがスゴイ。 ドレスを着てステージで踊る姿とかも、色っぽいんです。

いわゆる“イケメン俳優”の枠にはまらず、多彩なキャリアを着々と積み重ねている松坂桃李。 もはや松坂桃李以外では想像できない!と思わせるほど、そのどれをもハマり役にしてしまいます。30代になったらどうなるんだろうって想像すると、ワクワクが止まりません!

まとめ

今年の10月にいよいよ30歳になる松坂桃李。映画「娼年」(4月6日公開)に続き、映画「孤狼の血」(5月12日公開)では刑事を、舞台「マクガワン·トリロジー」(6~7月上演)では殺人マシンを演じるなど、まだまだ見たことのない松坂桃李に会えそうなラインナップが控えています。一歩一歩着実に進化していく彼から目が離せません!

最新記事