2018.08.26日曜日

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コラムcolumn

平成の女子ドラマに安室奈美恵あり。彼女の歌声なくして、これからの女性たちはどう生きる!?

安室奈美恵

1992年にデビューし、9月16日に引退の日を迎えようとしている、まさに平成を駆け抜けたアーティスト・安室奈美恵。女性の憧れであり続けた安室奈美恵の存在は、時代時代の女性たちを描くテレビドラマにも欠かせませんでした。そんなドラマ主題歌をキーワードに、安室奈美恵のスゴさを振り返ります。

ベスト盤、ライブDVD&Blu-ray、展覧会と、ラストイヤーはにぎやかに

2018年9月16日、いよいよその日が来てしまいますね。デビュー25周年を迎えた昨年9月に、安室奈美恵が発表した“引退の日”。

筆者は、安室ちゃん(ここだけは普段の呼び方ですみません)をデビュー当時からリアルタイムで追うことができた幸運な世代です。歌って踊れてかっこよくてかわいい安室ちゃんは青春時代の憧れ。でも安室ちゃんがすごいのは、メディアに取り上げられやすい“アムラー”ブームの時代だけでなく、時代を超えても女性たちの憧れの存在であり続けてくれたこと。

引退発表後のさまざまな展開は、そんな彼女の偉大さを世間に再認識させました。

安室奈美恵
Namie Amuro LIVE DVD&Blu-ray「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」2018年8月29日(水)発売
DVD(5枚組)/Blu-ray(3枚組) 各8,800円(税込)

昨年11月に発売されたオールタイム・ベストアルバム「Finally」。初週でミリオンセールスを突破(現在はダブルミリオンを突破)し、国内アーティスト史上初となる“4年代(10代・20代・30代・40代)”連続ミリオンセールス達成という偉業を成し遂げています。

そして安室奈美恵が歌やダンスで自身を表現し、ファンとつながってきた場所といえば、ライブ。今年の2月から6月まで開催されたラストドームツアーは、国内17公演+アジア6公演で、ソロアーティスト史上最多となる約80万人を動員しました。

その“東京ドーム最終公演”と昨年9月に開催された“25周年沖縄ライブ”に加え、5人のディレクターがテーマ別に編集した“各地5大ドームから選べる1公演”の計3公演を収録した全5種類のDVD&Blu-ray「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」が早くも8月29日に発売。なんと予約だけですでに90万枚を突破したというから驚きです。(そのうちの1枚は筆者の分です)

さらに、9月16日まで、安室奈美恵の軌跡をたどる体感型の展覧会「namie amuro Final Space」を東京(7月26日~)、大阪(7月14日~)、福岡(8月12日~)、沖縄(8月2日~)の4会場で開催されています。

盛りだくさんな内容の1年に、ファンへの感謝の気持ちをひしひしと感じますが、楽しいからこそ、その日が来るのがあっという間に感じてやっぱりさみしいですね。

共感し夢中になったドラマには、いつも彼女の歌声があった

Missデビル 人事の悪魔・椿眞子
Missデビル 人事の悪魔・椿眞子
©NTV

今年の4月~6月に放送されていたドラマ「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」(日本テレビ)で、1995年の大ヒット曲「Body Feels EXIT」(「Finally」に収録された新録バージョン)が主題歌に起用され、話題を集めました。ドラマは、菜々緒が演じる“悪魔”のような人事コンサルタントが、長い脚を駆使して回し蹴りをお見舞いする姿や、どんな相手にも動じない姿が痛快な作品。そんな強い女性像と、安室奈美恵の第一声から突き刺してくるパワフルな歌声が重なり、第一話で流れた瞬間ゾクッとさせられました。

主人公たちに共感したり、刺激されて、元気や勇気をもらったり、恋をしたくなったり、テレビドラマから大きな影響を受ける女性は少なくないのでは? より物語の世界に入り込めるかどうかは、主題歌の良さも大きく関わってきます。残念な主題歌が流れて気分が冷める、ということってありますよね。

幅広い年代の女性たちが憧れる存在であるがゆえ、安室奈美恵の楽曲はこれまで数多くのテレビドラマの主題歌として求められてきました。そしてそのどれもが、ドラマのストーリーに寄り添い、時に優しく、時にカッコよく、ドラマを盛り上げてくれています。

では年代順に、特徴的なテレビドラマ作品をピックアップして紹介します。

【1995年~】ドラマ名/曲名

  • 1995年 「ザ・シェフ」(日本テレビ)/「Chase the Chance」
  • 1997年 「バージンロード」(フジテレビ)/「CAN YOU CELEBRATE?」
  • 1999年 「夜逃げ屋本舗」(日本テレビ)/「I HAVE NEVER SEEN」

「Body Feels EXIT」から始まる小室哲哉プロデュース時代は、いわゆる街にアムラーがあふれた時代。ここでの注目は、やはり月9ドラマ「バージンロード」の主題歌になり、邦楽女性ソロアーティスト 歴代1位のシングル売上を記録している「CAN YOU CELEBRATE?」。楽曲と内容のマッチングはもちろん、教会での結婚式をモチーフにしたオープニング映像に、ピアノを弾く小室哲哉と歌う安室奈美恵を登場させるという演出が話題になりました。ちなみに、そのあと安室自身、結婚・出産を経験するというのも、改めて考えると運命的ですね。

【2000年~】ドラマ名/曲名

  • 2004年 「君が想い出になる前に」(フジテレビ)/「ALL FOR YOU」
  • 2007年 「ヒミツの花園」(フジテレビ)/「Baby Don’t Cry」
  • 2008年 「乙女のパンチ」(NHK)/「Sexy Girl」

2001年に小室プロデュースを離れ、セルフプロデュースによる音楽活動を開始し、R&Bやヒップホップ色を濃くしていった中で、生まれたヒット曲が「Baby Don’t Cry」。「悲しまないで」「一人になんてしないから」と、ストレートなメッセージを爽やかに歌い上げている名曲です。主題歌になったドラマ「ヒミツの花園」は、釈由美子、堺雅人、要潤などが共演したラブコメディで、前向きな気持ちになれる楽曲がマッチしていました。

【2010年~】ドラマ名/曲名

  • 2011年 「テンペスト」(NHK BS)/「Tempest」
  • 2011年 「私が恋愛できない理由」(フジテレビ)/「Love Story」「Sit! Stay! Wait! Down!」
  • 2013年 「空飛ぶ広報室」(TBS)/「Contrail」
  • 2014年 「ファーストクラス」(フジテレビ)/「BRIGHTER DAY」
空飛ぶ広報室
空飛ぶ広報室
© TBS

「バージンロード」以来約14年ぶりに月9の主題歌を担当したのが「私が恋愛できない理由」。“恋愛できない女性たち”にスポットを当てた等身大ラブストーリーを彩ったのが、本作のために書き下ろしたという、今なお人気のラブソング「Love Story」。切なさと共に、自分が決めた道を行くんだ、という強さも感じさせるメッセージは、より生き方が多様化した現在の女性たちにも響きます。また、イベントの照明会社に勤める主人公たちが、安室奈美恵のライブを担当するという設定で、第9話に本人が登場し「Love Story」をステージで歌うというシーンも!

そして個人的な生涯ベスト級ドラマ「空飛ぶ広報室」の主題歌は、ドラマをイメージして制作された“飛行機雲”を意味するタイトルの「Contrail」。くじけてしまった過去を原動力にして、新たな未来を切り開いていこうとする、まさにドラマのキャラクターたちと重なる力強さにあふれたナンバー。空の映像とこの曲が重なると、気分が高揚します!

【2015年~】ドラマ名/曲名

  • 2016年 「僕のヤバイ妻」(フジテレビ)/「Mint」
  • 2017年 「母になる」(日本テレビ)/「Just You and I」
  • 2017年 「監獄のお姫さま」(TBS)/「Showtime」
  • 2018年 「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」(日本テレビ)/「Body Feels EXIT (from AL「Finally」)」
監獄のお姫さま
監獄のお姫さま
© TBS

これまでの主題歌はバラードのイメージが強いですが、より女性の強さが際立つカッコイイナンバーが目立つようになってきます。

伊藤英明や木村佳乃らキャストの怪演ぶりや、スリリングで謎の多いストーリーが当時SNSで盛り上がりをみせた「僕のヤバイ妻」。主題歌「Mint」は、ミステリアスなギターフレーズと、「愛する人からの仕打ちなら、ミントのように爽快な刺激や快楽に感じられる」という刺激的なリリックが印象的なダンスロックナンバーで、ドラマの展開とのリンクや、楽曲そのもののカッコよさが話題になりました。

そして、女子刑務所という過酷な状況でたくましく生きる女性たちの姿を、宮藤官九郎ワールド全開で描いた「監獄のお姫さま」。彼女たちの企てる“リベンジ計画”を“ショータイム”に例えた主題歌「Showtime」は、軽快なトラック&メロディにキャッチーな歌詞がのった、踊れるポップ・ソング。作品とのリンクだけでなく、これからどんどんドラマは面白くなるよ、と視聴者を引き込むパワーすら感じさせてくれました。

ライブを活動のメインステージにしてからは、テレビ出演などがほとんどなかった安室奈美恵。でもこうしてコンスタントにドラマの主題歌に起用されたことで、ずっと身近に感じることができました。しかもどれもがクオリティが高く、新しい魅力にあふれた楽曲ばかりで、「さすが安室ちゃん!」とファンは誇りに思えたのではないでしょうか。同じ時代に生まれたことが誇らしいです!

まとめ

オールタイム・ベストアルバムに収録された表題曲でもある新曲「Finally」で、「新しいストーリーが始まる」と歌っている安室ちゃん。引退してしまうのはさみしくてたまらないけれど、安室ちゃんの新たなストーリーを応援したいですね。とりあえず、彼女の楽曲が彩るドラマを見て、元気をもらいましょう。

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