2018.12.11火曜日

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コラムcolumn

個人情報の流出、拡散による恐怖! SNS時代の今を切り取った映画がリアル!

旅猫リポート
「スマホを落としただけなのに」
2018年11月2日(金)全国東宝系にてロードショー 配給:東宝
©2018映画「スマホを落としただけなのに」製作委員会

北川景子×「リング」の中田秀夫監督の初タッグ、田中圭、千葉雄大、成田凌といった人気俳優の共演が話題のSNSミステリー「スマホを落としただけなのに」(11月2日公開)。本作をはじめ、SNSの影響力や恐怖を体感できる、現代ならではの映画を紹介します!

北川景子が挑む、スマホを落とした最低最悪ケースに戦慄!

旅猫リポート
©2018映画「スマホを落としただけなのに」製作委員会

自分のスマホを、例えば自宅に忘れて外出してしまった日は、一日中そわそわ落ち着かないし、実質、仕事にならないという人も少なくないはず。自宅ならまだよくて、誰の目に触れるかもわからない場所に落としてしまったとしたら……泣きますね。

そんな、スマホを落としたことを発端に巻き起こる恐怖を描いたのが、無名の新人・志駕晃のデビュー作を映画化した「スマホを落としただけなのに」です。

スマホを落としたのは、主人公・麻美(北川景子)の彼氏である富田(田中圭)。麻美の機転もあり、スマホ自体は拾った男から無事戻ってきますが、安堵したのも束の間、本当の恐怖がそこから始まります。身に覚えのないクレジットカードの請求、SNSで繋がった“友達”からのネットストーキング、アカウントを乗っ取られて恥ずかしい写真や知り合いの悪口をアップされる、などなど。

劇中、「スマホって俺たちの分身だと思わない?」(富田)というセリフが出てきますが、持ち主の顔や個人情報、交友関係、検索履歴、行動範囲、その人のすべてを知るスマホは、確かに分身と言える存在。だからこそ、人質にとられ脅迫の対象にも…。

麻美を脅かす一連の出来事は一体誰の仕業なのか? また、並行して描かれる連続殺人事件の捜査はどのように結びつくのか? ミステリーとしてのおもしろさはもちろん、スマホを落とした時に起こりうるケースとしてリアルでもあり、スマホの使い方や人とのつながり方を改めて考えさせられます。

SNSが生む物語は、呪いもあれば希望もある

往年の名作ドラマ「東京ラブストーリー」(フジテレビ・1991年)が9月に再放送され話題を呼びましたが、携帯電話が普及していない時代ならではの“すれ違い”が物語をドラマチックにしていました。そして、誰もがスマホを持つ現代。顔を知らない人とも瞬時に繋がれて、メッセージを世界中に発信できる、SNS時代ならではの作品をピックアップしました。

「アンフレンデッド」:呪いもSNSに乗せて

アンフレンデッド (字幕・吹替)
アンフレンデッド (字幕・吹替)
© 2015 Universal City Studios Productions LLLP. ALL RIGHTS RESERVED.

呪いのビデオ、呪いの家など、これまでの映画でさまざまに描かれてきた“呪い”も、この時代はSNSを駆使してきます。それが、映画「アンフレンデッド」(2015年)。

恥ずかしい動画をネットにさらされたことを苦に、自殺をしてしまった女子高生ローラ・バーンズ。その1年後、同級生たちがSkypeをしているところに、突如ローラのアカウントが現れます。誰かのイタズラに違いないと思いつつ、後ろ暗い思いを抱える彼らは内心ドキドキ。そして案の定と言いますか、SNSを通して彼らの秘密や裏の顔が容赦なくあぶり出され、1人また1人と呪い殺されていきます。しかも殺され方がどれもこれもエグイ…。

本作は、全編PC画面上で描くという演出が斬新で、Skype、Facebook、チャットなどの画面が目まぐるしく切り替わり、そのスピード感で最後までハラハラさせてくれます。同様に、全編PC画面上で展開する映画「search/サーチ」(10月26日公開)も話題を呼んでいるので、合わせて見るのもいいかも。

呪いはもちろん怖いですが、表面上は仲良しに見える彼らの悪意にもゾッとさせられます。誰でも簡単に写真や動画を撮影し、投稿できてしまう今日この頃ですが、それが人の人生を狂わせてしまうかもしれない、ということを想像できることが大事ですね。呪い殺されちゃいますから!

「ザ・サークル」:プライバシーゼロの時代が来る!?

ザ・サークル(字幕・吹替)
ザ・サークル(字幕・吹替)
© 2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.

エマ・ワトソンとトム・ハンクスが共演した映画「ザ・サークル」(2017年)では、近い将来起きてもおかしくないと思える、SNSの光と闇が描かれています。

舞台となるのは、主人公・メイ(エマ・ワトソン)が入社した超巨大SNS企業“サークル”。互いの情報をオープンにし、シェアすることこそ素晴らしい!といった社風に最初は戸惑いを覚えていたメイ。しかし、ある事件をきっかけに、ベイリー(トム・ハンクス)に提案を持ち掛けられ、超小型カメラを身に着けて自らの24時間をSNSでオープンにすることに。プライバシーゼロです。

本作で興味深いのは、メイが1000万人超のフォロワーを抱える人気者となった一方で、幼なじみのマーサー(エラー・コルトレーン)とは疎遠になってしまうこと。SNSに批判的なマーサーに対し、メイは「ソーシャル(社交的)じゃないなら救いようがない」と言いますが、「僕は十分社交的だよ。今だって話してるだろ」と言い返すマーサー。SNSでつながろうとする人と、直接会って話すことを大切にする人、どちらがソーシャルなのか…ハッとさせられます。

「スマホを落としただけなのに」もそうですが、SNSを扱った作品は、人とつながるという意味を改めて考えさせられるのも特徴的です。

「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」:SNSの失敗と希望

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(字幕・吹替)
シェフ 三ツ星フードトラック始めました(字幕・吹替)
©2014 Sous Chef, LLC. All Rights Reserved.

最後は、鑑賞後にハッピーな気持ちになれる映画で締めましょう。「アイアンマン」(2008年)、「アイアンマン2」(2010年)の監督であり、ハッピー役で出演もしているジョン・ファヴローが、製作・監督・脚本・主演を務めている、映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」(2014年)です。

考えの古いオーナー(ダスティン・ホフマン)と対立し、ロサンゼルスの一流レストランを辞めてしまったシェフのカール(ジョン・ファヴロー)。自身の料理を酷評した料理評論家を怒鳴り散らしている動画が拡散されてしまい、次の働き口も見つからないカールは、フードトラックから再起を図ります。

そもそも彼がどん底に陥るきっかけとなったのは、件の評論家のツイートにケンカを売るようなリプをしたこと。ツイッターを始めたばかりのカールは、送った相手しか見ないものだと思っていたら、公開バトルの宣戦布告のようになってしまったわけです。

そんな“SNS初心者あるある”なミスから始まりますが、SNSがハッピーなツールとしても描かれているのが本作のいいところ。SNSの使い方を教えることが父と息子のコミュニケーションになり、息子のSNSを使った宣伝がフードトラックに大勢の客を呼ぶなど、なんだかホッとします。ちなみに、ツイートされる時に、ツイッターのアイコンである青い鳥が飛んでいったり、鳥が鳴く声をさせたりと、かわいい演出も好感。

そのほか、ロバート・ダウニーJr.やスカーレット・ヨハンソンといった脇役で登場する豪華キャスト、キューバサンドイッチをはじめカールの作るおいしそうな料理など、隅々まで見どころにあふれているのでオススメです!

まとめ

Facebook誕生の裏側を描いた「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)や、SNSを絡めてリアルな就活生の姿を描いた「何者」(2016年)など、定番の作品もぜひチェックを。今後ますますコミュニケーションツールが進化し、今のSNSも懐かしいと思われる時代が来ることは必至なので、現代を描いた映画が残されるというのは重要ですね。

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