イントロダクション
Introduction
アメリカのテレビドラマを始めとする番組や、テレビに関連する業績に与えられる賞、それがエミー賞。映画におけるアカデミー賞に相当するものだ。第71回エミー賞で、作品賞を始めとした主要6部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、脚本賞)にノミネートされたのが、本作「エスケープ・アット・ダンネモラ~脱獄~」である。本作が多くの人たちを魅了したのは、ストーリーと俳優らの高い演技力によって生み出された“リアリティー”だろう。実話がベースという特異に加え、アカデミー賞俳優らの表情や細かなしぐさによって、作品はより魅力的なものに仕上がっている。物語の舞台は、最高警備と言われるニューヨーク州ダンネモラのクリントン刑務所。そこに収監されているリチャードは、ある日、自分の監房の裏に隠された空間を見つけ、脱獄計画を企てる。一方、刑務所内の縫製工場で働くティリーは、退屈な結婚生活に嫌気がさしていた。そこにリチャードと同じく刑務所に収監されているデヴィッドが、ティリーを誘惑。さらに、リチャードは脱獄にティリーを利用しようと自らも誘惑し、計画の手引きを請け負うよう持ち掛ける。


登場人物 Cast
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リチャード
(ベニチオ・デル・トロ)凶悪犯罪者ばかりが収監される最高警備レベルのクリントン刑務所に服役。デヴィッドと共に、ティリーを誘惑し脱獄する計画を企てる。
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ティリー
(パトリシア・アークエット)刑務所内で縫製工場のマネージャーを務める。リチャードとデヴィッドにひかれ、脱獄計画の手引きを請け負う。
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デヴィッド
(ポール・ダノ)クリントン刑務所に服役。一匹狼タイプだが、リチャードには心を許す。ひと回り以上年上のティリーを誘惑し、性的関係を持つ。
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キャサリン(ボニー・ハント)
監察官。ニューヨーク州史上最も大胆な刑務所脱獄の原因を捜している。
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ライル(エリック・ラング)
ティリーの夫。思いやりがあるが、なぜ妻が幸せでないのか理解できていない。
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ジーン(デヴィッド・モース)
クリントン刑務所の刑務官で、受刑者に優しく接する。
エピソード Episode
アーカイブ
注⽬ポイント Point
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POINT1
現実の事件がベースとなっている
本作の一番の目玉は、2015年の夏、アメリカ・ニューヨーク州北部で起きた脱獄事件がストーリーのベースとなっていること。有罪判決を受けた2人の殺人犯が、既婚者の女性刑務所職員の手助けにより脱獄したこの事件は、“事実は小説よりも奇なり”という言葉を思い出させる。またダークユーモアにあふれていることも、本作の魅力のひとつだ。
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POINT2
監督は俳優としても活躍しているベン・スティラー
映画『ナイト ミュージアム』シリーズなど、俳優として活躍するベン・スティラーがメガホンをとったのも、大きなトピック。彼は映画『LIFE!/ライフ』(’13年)で監督&主演を務めるなど、演出家としても活躍。第71回エミー賞では、本作で監督賞にノミネートされるなど、誰もが認める手腕を発揮していると言えるだろう。
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POINT3
アカデミー賞女優パトリシア・アークエットの演技
本作で、第76回ゴールデン・グローブ賞リミテッドシリーズ/テレビムービー部門主演女優賞を獲得したパトリシア・アークエット。彼女は誰かに必要とされたくて必死なティリーを見事に演じており、その姿からは目が離せない。また、容姿もメイクによって普段の姿と異なっており、一見して彼女とは気づかないほどに仕上がっている。
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