特集 Special Feature

ラストレター劇場公開記念 岩井俊二映画祭
  • 森七菜インタビュー
  • 岩井俊二ヒストリー

独特の世界観で見たこともないような映像世界を描き続ける岩井俊二監督。最新作『ラストレター』が1月17日(金)から全国劇場公開される。そこで、映画の見どころを語った岩井俊二の映画化発表時のコメントや、出演者の一人、森七菜スペシャルインタビュー、さらに岩井の映画人生を追ったヒストリーなどを紹介していく。

森七菜撮りおろしカット&インタビュー

新人ながら岸辺野颯香と遠野裕里(回想)の二役を見事に演じ切った森七菜に自身の演技や共演者についての話を聞いた。

―― 今回の役も140人ほどの中から選ばれたとお聞きしましたが、オーディションに強いと評判ですね。
ありがとうございます。今回のオーディションの前に岩井監督の映画を5本観させていただき、その雰囲気や世界観の虜になってしまいました。それでオーディションの時に岩井監督に「どうやったらあのような素敵な映画が撮れるんですか?」って聞いたんです。そうしたら「僕は何もやってないよ」とさらりと言われてしまったので、あぁ私は嫌われたなって思ったんです(笑)。ですから選んでいただけたと聞いた時は、とても嬉しかったです。
―― ご覧になった岩井監督作品で特に好きな映画は何ですか。
『花とアリス』と『リップヴァンウィンクルの花嫁』です。繰り返し何回も観ました。特に『リップヴァンウィンクルの花嫁』は4時間位ある長編なので、お風呂に入りながら観た時はのぼせてしまいました(笑)。本作もカットされた部分があるので、それを追加したロングバージョンもできればいいなと思いました。
―― 本作は“手紙”が大きなテーマですよね。
 はい。まず、『ラストレター』という題名を聞いた時に、手紙を題材にして、どのように現代を描くのだろうと興味を持ちました。そして脚本を読んで、手紙が交差するところや過去との結びつきが面白いと感じました。今は、私自身、過去がつないでくれたものをずっと大事にしていきたいという気持ちです。この映画をご覧になった方々が、何かを思い出して筆を取る機会が増えるといいなと思いました。
―― 森さんご自身は日頃、手紙を書くことはありますか。
はい、監督さんや共演者のみなさんに書いたりしています。クランクアップの日にお渡ししたり、大分から郵便で出すこともあります。今は手紙が珍しくなっていますが、本当に伝えたいことは手紙の方が伝わると思うんです。
―― 森さんの演技にはせりふを一つひとつ大切に紡ぐような印象を受けましたが、演じる上で意識されたことはありましたか。
岩井監督の作品の中で私の役にせりふがあるというのは貴重なことです。とてもありがたいことだと思って演じました。
―― 二役を演じ分けることについて苦労されたことはありましたか。
裕里は松(たか子)さんの高校時代なので、少しでも近づければと松さんが出演されているテレビ番組を見るようにしました。一緒にいると似るっていうじゃないですか。何度も見ていれば似るような気がして(笑)。松さんの高校時代を違和感なく演じられることを目指して頑張りました。

―― 広瀬すずさんとのシーンが多かったですね。影響を受けることはありましたか。
広瀬さんのことが大好きで、出演されているCMも100回ずつ見るぐらい好きなんです。お芝居も素晴らしいので、近くにいて盗めるものはとにかく盗もうと思っていたんですが、存在感がすごいんです。それこそ映画を支配してしまうほどの雰囲気があって、広瀬さんの真似は到底できないと改めて思いました。
―― お気に入りのシーンや印象的なシーンを教えてください。
庵野(秀明)さん演じるお父さんが「携帯禁止」って言うところがキュートで面白かったです(笑)。それと神木(隆之介)さん演じる鏡史郎(回想)が未咲(広瀬)と裕里(森)それぞれに向ける表情の違いです。演じている時はわかりませんでしたが、試写で観て「あぁ、裕里完全に脈なしじゃん、かわいそうに」って思いました。それはすごく衝撃的だったので、みなさんにも観て共感していただきたいです。

―― 神木さんとの年齢差はどうやって埋めましたか。
 完全に神木さんの力です。以前、共演させていただいた時は、弁護士と中学生という役柄だったんですけど、今回はまさかの同じ高校生。でも神木さんって高校生になっちゃうんです(笑)。本当にすごいなと改めて思いました。
―― 最後にファンの方へメッセージをお願いします。
監督が岩井さんで、豪華な出演陣がそろった素晴らしい作品です。こんな映画を観られる現代に生まれたことに私はファンの一人として感謝しています。ぜひ映画館に足を運んで感じていただけたら嬉しいです。
  • 森七菜プロフィール
  • '01年生まれ、大分県出身。出演映画に『心が叫びたがってるんだ。』('17)、『天気の子』('19/声の出演)、『東京喰種 トーキョーグール【S】』('19)、『最初の晩餐』('19)、『地獄少女』('19)。
  • ラストレター
  • 姉・未咲の葬儀に参列した裕里(松たか子)は、未咲の娘・鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校の人気者だった姉と勘違いされてしまう裕里。そこで初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会した彼女は、未咲のふりをしたまま彼と文通を始める。

公式サイトはこちら

岩井俊二コメント

かつて『Love Letter』という映画を作りましたが、当時は手紙のやり取りのあった時代でした。あれから通信手段は激変し、SNSでやり取りできてしまうこの時代にあって、 手紙を使った物語は現代において不可能だと思っていましたが、ある日それを可能にするアイディアを思いついてしまったところからこの物語の構想がスタートしました。 ある夏休みの間に起きた世代を超えた手紙物語です。今回初めてロケーションを故郷、宮城に設定しました。劇映画としては初の試みです。 今回は川村元気プロデューサーとのお仕事ということで、このユニットのコラボを楽しもうと思っています。ご一緒するのが初めての俳優さんもいるし、以前お仕事をしたことのある俳優さんもいます。プロの俳優さんもいればそうでない方もいます。そこからどういう化学反応が起きるか今から楽しみです。
(映画化発表時)

岩井俊二

ひかりTVで岩井俊二監督、プロデュース作品がたっぷり見られる!!

岩井俊二ヒストリー

90年代
1963年生まれ、宮城県出身。幾つかのテレビドラマの脚本と演出を担当した後に『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』('93)でテレビドラマとしては異例の日本映画監督協会新人賞を受賞。その後、再構築し劇場公開された『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?-New Color Gradging-』('93)で本格的に映画監督としてのスタートを切る。短編作『undo』('94)では主演の二人、山口智子と豊川悦司が大胆な演技を繰り広げ、その内容と岩井の斬新な描写が国際的な評価を受ける。そして、岩井初の長編作品となった『Love Letter』('95)は主演の中山美穂が二役を演じたことでも話題になり、モントリオール世界映画祭観客賞など数々の映画賞を受賞。特に韓国では絶大な人気を誇るまでになり、期待の映画監督として注目され始める。続く『スワロウテイル』('96)では独特の個性を炸裂させ、日本語と中国語と英語が飛び交う無国籍的で謎めいた架空の世界を作り上げたかと思うと、『PiCNiC』('96)では美しくも残酷な世界観で多くのコアなファンを魅了する。そしてこれぞ岩井ワールドを感じさせるのが、松たか子の映画初主演作『四月物語』('98)。田舎から上京して来た女子大生の何気ない日常をリアルにみずみずしく表現している。
  • 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? -New Color Gradging-

    打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? -New Color Gradging-

  • 見放題HDPC・スマホ
  • ビデオ番号:64393
  • 提供中
  • ©Rockwell Eyes Inc.
  • テレビドラマシリーズ「ifもしも」の一篇として製作された、小学生の男の子と女の子の淡い恋心と悲しい別れを描いたドラマ。テレビドラマとして、初めて日本映画監督協会新人賞を受賞。世代を超えて愛され続けており、“岩井美学”とも称される独特の映像美を堪能できる。
  • undo

    undo

  • HD
  • ビデオ番号:32214
  • 提供中
  • 【レンタル】¥440/3日間
  • ©フジテレビ・ポニーキャニオン
  • 山口智子、豊川悦司主演の異色短編映画。何でも縛りたくなってしまう“強迫性緊縛症”という神経症にかかってしまった女性と、彼女を助けようと苦悩する夫の姿を描く。女性を強迫性緊迫症候群と診断するセラピストを田口トモロヲが演じる。
 
  • Love Letter

    Love Letter

  • HDPC・スマホ
  • ビデオ番号:38618
  • 提供中
  • 【購入】¥2,750
  • 【レンタル】¥440/7日間
  • © 1995 FUJI TELEVISION NETWORK,INC. ALL RIGHTS RESERVERD.
  • 誤配されたラブレターがきっかけで、埋もれていた2つの恋が浮き彫りになっていくラブストーリー。中山美穂が主人公の女性と、彼女から手紙を受け取る女性の2役を演じ話題に。随所で雪を効果的に使用。特に冒頭の雪景色は秀逸。
  • スワロウテイル

    スワロウテイル

  • HDPC・スマホR15
  • ビデオ番号:89735
  • 提供中
  • 【レンタル】¥440/72時間
  • © SWALLOWTAIL PRODUCTION COMMITTEE
  • “円都(イェンタウン)”と呼ばれる架空の街を舞台にした無国籍感覚の物語。日本人から蔑まれる移民たちを主人公に、彼らの成功と挫折を斬新な映像とスリリングな演出とで描いていく。劇中のバンドの楽曲が、実際にYEN TOWN BAND名義で発売され話題となった。
  • PiCNiC 完全版

    PiCNiC 完全版

  • HDPG12
  • ビデオ番号:32360
  • 提供中
  • 【レンタル】¥440/3日間
  • ©フジテレビ・ポニーキャニオン
  • 歌手のCharaと浅野忠信が共演したラブストーリー。心の病を抱える3人の若者が、施設と外界の境界線である塀の上を渡って世界の終焉を見に行こうとする“探険”を描く。Charaと浅野忠信はこの共演がきっかけとなり、後に結婚した。
  • 四月物語

    四月物語

  • 見放題HD
  • ビデオ番号:69860
  • 提供中
  • 【レンタル】¥440/3日間
  • ©1998 Rockwell Eyes Inc.
  • 大学へ進学するために北海道から上京してきた少女の日常を綴った青春ドラマ。東京で一人暮らしを始めた女性に起きる出来事を岩井ならではのディテールと独特の映像言語で表現。映画初主演の松たか子がピアノ音楽の演奏も担当した。
2000年代
2000年代に入ると、自らの小説を積極的に自ら映画化していく。実験的なインターネット小説を基に作られた『リリイ・シュシュのすべて』('01)ではドビュッシーの曲と美しい田園風景をバックに、そこに生きる少年少女たちの闇の部分を容赦なく描き切っている。また、Webで配信した4話の短編を自ら紡ぎ上げた青春映画『花とアリス』('04)では三角関係の恋をユーモアと爽快感で包み込みながら、主演の鈴木杏と蒼井優のリアルで透明感のある演技を引き出している。こうして誰も真似できないような独特の世界観を作り上げる岩井は、この時点ですでに日本を代表する監督と称される。そして2005年よりロサンゼルスに拠点を移し活躍の場を広げていく。

リリイ・シュシュのすべて

岩井がインターネットで展開した同名小説を、岩井自ら映画化。いじめ、万引、暴行などの犯罪が渦巻く日常で、心に傷を負った14歳の少年少女の痛みと焦燥、無邪気さを繊細なタッチで描き出す。田園風景を包み込むドビュッシーのピアノ曲が物語を盛り上げる。

花とアリス

  • 花とアリス

  • 見放題HD
  • ビデオ番号:69864
  • 提供中
  • ©2004 Rockwell Eyes・H&A Project

岩井がWebで配信した4話の短編を岩井自らリリカルなタッチで紡ぎ上げた青春映画。親友同士の女子高校生2人と、先輩の男の子が織り成す恋の三角関係が、せつなさとユーモアたっぷりにつづられる。主演の鈴木杏&蒼井優の透明感あふれる演技を引き出す手腕はさすが。

2010年代
8年ぶりに手掛けた長編作『ヴァンパイア』('12)ではカナダを舞台に全編英語で撮り下ろし、国際的な監督としての実力を存分に発揮。日本からは岩井作品の常連女優である蒼井優が出演し存在感を見せる。実写映画『花とアリス』('04)の前日譚となるアニメーション作品『花とアリス殺人事件』('15)で岩井は「最初からアニメを想定していた」と語り、初の長編アニメ作品でも独特の映像世界を描き出す。また主人公2人の声も実写と同様に鈴木杏と蒼井優が務める。CMのオーディションで出会った黒木華を主演に起用した『リップヴァンウィンクルの花嫁』('16)では圧倒的な映像美と奇想天外なストーリーで改めて岩井ワールドの真髄をスクリーンに展開。岩井の実写による日本映画を待ちわびていたファンを歓喜させた。そしていよいよ最新作『ラストレター』が1月17日(金)全国劇場公開となる。名作『Love Letter』を感じさせる世界観でありながら全く新しいエンターテインメント作品だ。
  • ヴァンパイア

    ヴァンパイア

  • HDPC・スマホ
  • ビデオ番号:89816
  • 提供中
  • 【レンタル】¥440/72時間
  • VAMPIRE©2011 Rockwell Eyes,Inc.All Rights Reserved.
  • 『花とアリス』以来8年ぶりに手掛けた長編。ヴァンパイアである高校教師と自殺サイトに集う少女たちの不思議な関係を描く。『フローズン』('10)のケヴィン・ゼガーズをはじめフレッシュなキャストをそろえ、カナダを舞台に全編英語で撮り下ろした。自殺願望を抱く留学生に蒼井優がふんする。
  • 花とアリス殺人事件

    花とアリス殺人事件

  • HDPC・スマホ
  • ビデオ番号:31739
  • 提供中
  • 【購入】¥2,750
  • 【レンタル】¥440/7日間
  • © 花とアリス殺人事件製作委員会
  • '04年製作・公開の『花とアリス』の前日譚となる物語。岩井俊二が初めて長編アニメーションを手掛け、2人の中学生、”花”と”アリス”の出会いのエピソードがつづられる。『花とアリス』で花を演じた鈴木杏とアリスを演じた蒼井優が同役で声優を担当。
 
  • リップヴァンウィンクルの花嫁 
劇場公開版

    リップヴァンウィンクルの花嫁 劇場公開版

  • HDPC・スマホ
  • ビデオ番号:10841
  • 提供中
  • 【購入】¥2,750
  • 【レンタル】¥550/72時間
  • © RVWフィルムパートナーズ
  • ふとした事から知り合ったなんでも屋の男に斡旋され、奇妙なアルバイトに挑むヒロインの姿を描く人間ドラマ。黒木華が岩井作品の初ヒロインを務めるほか、綾野剛が主人公の人生に大きな影響を与えるなんでも屋を、歌手のCoccoがバイト仲間を演じるなど個性豊かなキャストが脇を固める。
  • リップヴァンウィンクルの花嫁 serial edition【全6話】

  • 見放題4KHDPC・スマホ
  • ビデオ番号:HD 73233ほか 4K 75532~
  • 提供中
  • 【購入】¥2,750
  • 【レンタル】¥550/72時間
  • 映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』のドラマ版。全6話で構成、映画とは異なる編集で制作されている。

関連作品

独特の世界観に浸る!! 岩井俊二監督作、プロデュース作をチェック!そして出演作も!

新しい靴を買わなくちゃ

  • 新しい靴を買わなくちゃ

  • HDPC・スマホ
  • ビデオ番号:33692
  • 提供中
  • 【レンタル】¥440/7日間
  • © 2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会
  • 脚本家として数々のラブストーリーを送り出し“恋愛の神様”と呼ばれる北川悦吏子の監督第2作。岩井はプロデュースを担当。中山美穂&向井理を主演に迎え、パリで出会った男女の3日間の恋が描かれる。向井演じるセンの妹役に桐谷美玲、その恋人役に綾野剛。
日本映画専門チャンネルでは、『ラストレター』公開記念「岩井俊二映画祭」と題し3ヶ月にわたり特集放送!

1月放送

  • ルナティック・ラヴ

    ルナティック・ラヴ

  • 1/26(日)15:00 ほか
  • HDPC・スマホ
  • ©ROCKWELL EYES INC.
  • 「世にも奇妙な物語 冬の特別編」の1本として放送されたサイコサスペンス。豊川悦司ふんするカメラマニアの男性による妄想殺人の物語。撮影は篠田昇が担当。これ以降の岩井作品は篠田と共に紡がれていく。
  •  
  • 式日

    式日

  • 1/26(日)15:25~
  • HDPC・スマホ
  • ©2000 F&A・STUDIO KAJINO
  • 岩井俊二と藤谷文子が主演の恋愛ドラマ。スランプの映画監督と不思議な言動の少女の出会いと共感を描く。監督は「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明。実写映像とアニメの融合、劇的な音使いなど独創的な手法で、傷ついたヒロインの心理を描写した点に注目。
  •  

2月放送

  • チャンオクの手紙

    チャンオクの手紙

  • 2/16(日)23:30~
  • HDPC・スマホ
  • 岩井が手掛けた初の韓国ショートフィルム。ぺ・ドゥナふんする専業主婦が、娘と息子、介護が必要な義母の世話をしながら日常を送る姿を描いている。